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マジックスパイス「アクエリアス」激闘編のこと

アクエリアス

(昨日からの続きです)

ついに姿を現したアクエリアス。

水をイメージさせる名前とは裏腹に、色は赤い。

ここは地獄の一丁目か?
 

でかい。

思っていたよりもずいぶんと器がでかい。

ついているサフランライスの皿もでかい。

すり鉢状の器の底に、
キノコと野菜を赤いソースで煮込んだ、
アクエリアスがたまっている。

麻婆春雨のようだ。

見たところ、どろりとしたさわり心地。

スープカレーではなかったのか?

タイ料理によくある、酢とナンプラーの香り。

拙僧の経験との接点を見つけて、
アクエリアスを受け入れる、とっかかりにする。
 

入っている具は、
煮込まれたきのこと野菜、
揚げジャガイモ、
茹でブロッコリー、
生水菜、
生パプリカ、
ゆで卵。

オアシスになりそうなのは、
茹でブロッコリー、
揚げジャガイモ、
ゆで卵。

この補給ラインをうまく使いながら、
飽きないように、希望をなくさないように、
組み立てるとよさそうだ。
 

肩を開き、腹に息を落としてから、
武器(スプーンとフォーク)に手を伸ばす。

もう、引けない。
 

スープカレーの流儀に従って、
スプーンでごはんをすくい、
アクエリアスにくぐらす。

無理。

見た目どおり、アクエリアスの粘度が高くて、
ちゃんとごはんと絡んでくれない。

フォークで、アクエリアスとごはんを軽く絡めてから、
一口。
 

酸っぱ、甘い。

そのあとに唐辛子の味がスパーク。

唐辛子のコクがフォローしにくいところを、
煮込みトマトのうまみと酸味が埋めている。

タイ料理の、酸っぱ、辛、甘いのを
業務用アンプでブーストさせた味。

容赦ない韓国料理のようだ。
 

酢の酸味も、砂糖の甘みも、トップにピークがくるものの、
ミドルからアフターにかけてはいさぎよい。

しかし、唐辛子はそうじゃない。

じわりじわりと効いてくる。

あとに残るのは、唐辛子そのものの味。

ここまで、唐辛子比率が高くなるとよくわかる。

唐辛子はコクがあってうまい。

ピーマンも、獅子唐も、万願寺唐辛子も、鷹の爪も、ハバネロも、
すべて唐辛子で、品種が違うだけだ。

普通の野菜と同じようにうまみ成分を濃く持っている。

アクエリアスに使われている唐辛子は、
辛味成分(カプサイシン)の含量が比較的少ないものを、
大量につぎ込んでいるようだ。

淡味を集めて、濃味となし、
濃味を集めて、コク味となす。

辛味のピークも高いが、
コク味のピークもかなり高い。

アクエリアスは、
配合されたスパイスの総合力をとしての辛さではなく、
唐辛子そのものの味と辛さを堪能する構成だ。

メーヤウのインドチキンカリーを、ブレンディッドウィスキーとするならば、
マジックスパイスのアクエリアスは、シングルモルトウィスキー。

拙僧、唐辛子耐性はそれほど高くない。

この修行。少々不利だ。

汗が流れる。
 

戦略を立てなおす。

ゆっくり食べていると、どんどん体内に辛味成分が蓄積して、
あとになればなるほどつらくなるから、
速攻は必須。

それでも、せっかくの修行なので、
しっかり味わって食べること。

汁とごはんの配分も重要。

辛さから逃げるように、ごはんばかり食べると、
いつまでたっても汁が減らない。

最後に汁だけ残ると、気力が萎える。

量との勝負にも勝たねばならない。

逃げた時点で負け。

補給路は、辛さに飽きたときに手を出すこと。

順番は、ブロッコリー、ジャガイモ、ゆで卵。

ゆで卵を食べるとき。
勝敗はついているだろう。
 

腹が決まると、
汁をすくって、
ごはんにかけて、
和えて、
口に運ぶ
それだけの存在になる。

食べすすむと、汁の少なさがさみしい。

中にはきのこと野菜がたっぷり入っており、
あんスパのミラカン状態。

ライスで食べるよりも、麺に和えて食べたい。
 

汗はどんどん出てくる。

うっとおしくなってきたので頃合を見て、
ティッシュに手を伸ばす。

まず口の周りをふき取ったあとで、
新たなティッシュに変えて額や目の周りの汗をふき取る。

手順を間違えると、肌の痛みで修行どころではない。
 

食べても減った気がしない。

器のすり鉢形状のせいもあるだろう。

少しずつ、満腹の影が見えてきた。

このままでいくと、辛さではなく、
満腹で心が折れてしまいかねない。

汁の中のブロッコリーだけを口に運ぶ。

ごはんと和えていたときと、ほぼ変わらない。

具が多いので、汁が具に絡んで食べやすい。

これならいける。

戦略を修正する。

汁の具ををメインで食べ、口直しにごはんを口にする。

アクエリアスは、カレーより出でて、
別の地平にたどり着いてしまったようだ。
 

一気に汗が噴出してきた。

サウナに入って、サラサラの汗に変わる瞬間と同じ。

手順を守りながら、ティッシュに手を伸ばす。

額と目の周りをふいても、すっきりしないので、
メガネをはずす。

しっかりとふき取ると、視界がクリアになった。

目の前の汗だと思っていなのは、涙だったようだ。
 

店員さんがやってきて
「結構すすんでますね」と声をかけてくる。

「ええ、思ってたよりも、なんとかなってます」

ああ強がりだ。

強がらんとやってられんこともある。

量が多いとか、唐辛子の辛さが蓄積してきついとか、
そういったことを言おうと思ったが、
どうも言葉がまとまらない。

口にしようとすると、舌がもつれる。

拙僧、かなり、やられているようだ。

気づかせてくれた店員さんに感謝。
 

汗の出てくるスピードが、あがった。

汁の器に顔を近づけると、
数滴、器の中に落ちるのが見える。

しかたがない。

流れるにまかせる。
 

ジャガイモを食べる。
 

ごはんを残すことを決意する。
 

初めて、メーヤウのインドチキンカレーに
負けた日のことを思い出す。
 
 

邪念を捨て、
ただ、汁だけと向かい合う。
 
 
 

最後の野菜を食べつくす。
 

残るのは、
赤く染みたゆで卵。

すり鉢状の器の底で、
切れ目が入っているゆで卵を、
真っ二つに割る。

中から、赤くない、白身と黄身が見える。

うれしい。

口に運ぶと、安堵の味がした。

終わった。

勝ち負けはともかく、
とりあえず終わらせた。

ナイスカレー

心の中で力なくつぶやく。

流れる汗の後始末をする。

立ちあがっても、消化器に痛みはない。

これなら歩ける。

お会計を済まし、店を出る。

ずいぶんと行列ができている。

日差しは強いが、涼しい。

修行は終わった。

すがすがしい。
 

その後、会社に向かい、仕事をする。

4時間位してから、トイレが近くなる。

下してはいないのだが、
ピッチが早い。

ウォシュレットのありがたみを知る。
 

勝ったとはいえない。
しかし負けたともいいたくない。

完全勝利を掴むまで、修行は続くのだろうか?

コメント

・・・・・・・・・・ナイスカレー!!!

グッドカレー!

>めぐさん

サンキュカレー!!!!

>みつきゐさん

ジョリーグッドカレー!!!

感動しました!
ナイスカレー!!

申し遅れましたがみくしから飛んでまいりました。お邪魔致しました!

>あやこさん

サンキュ ファーストカレー!!!

はじめまして。
ありがとうございます。

いまだ普通のマジックスパイスを、
食べていないので、
またちゃんと行ってきます。